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「斬鉄剣はこんにゃくが切れない」というルパンファンならずとも知る超有名設定が生まれた回。結構斬鉄剣で切れないものは出てくるのですが、この一話のインパクトが大きすぎて、「こんにゃく以外は切れる」と思っている人も多そうです。
ガチガチのハードボイルドにもできそうなエピソードですが、こんにゃくで対抗するというナンセンスさのおかげで随分見やすくなっています。このあたりのさじ加減は2ndの真骨頂といったところでしょう。
【活躍度】
ル:B 次:B 五:S 不:B 銭:B
【あらすじ】
ギャングのカモネに呼び出されたルパンたちは、いきなり戦車で攻撃を食らう。ルパンと次元は川に飛び込んで逃走し、五右エ門がしんがりを務める。難なく戦車を切り捨て悠々と立ち去る五右エ門を、カモネと死の商人・シャーロックが見守っていた。
ホテルで合流したルパンたちを、不二子がバーボンを手土産に訪ねる。うまい酒にすっかりご満悦のルパンと次元。日本酒好きの五右エ門もすすめられて飲むうちに、すっかり気に入ったようだ。だがバーボンには睡眠薬が混ぜられていて、三人は眠ってしまう。その隙に不二子は斬鉄剣を奪い、シャーロックに売りつけてしまうのだった。目を覚ました五右エ門は自殺を図り、止めるルパン&次元ともみ合いになる。ルパンはひとまず五右エ門を銭形に預け、不二子と斬鉄剣の行方を追い始めた。
シャーロックはさっそく斬鉄剣をリモコン小型飛行機にくくりつけ、中央アフリカで休戦ラインをまたぎ睨みあっている軍隊を攻撃する。休戦が破られ戦争になれば、死の商人の彼が潤うというわけだ。シャーロックの思惑通り、互いに攻撃を受けたと思い込んでいる両国間の関係は急激に悪化していく。そのニュースに斬鉄剣が映ってることに気づいたルパン&次元は、さっそく五右エ門を牢から連れ出し、アフリカに飛んだ。
ヘリで様子を探っていたルパンたちは、カモネの操作する斬鉄剣の攻撃を受け撃墜される。五右エ門が竹光で応戦するも、まるで歯が立たない。 打つ手なしに思われたが、五右エ門は斬鉄剣にも弱点があったことを思い出す。無敵の斬鉄剣は、なんとこんにゃくが切れないのだ。そうと知ったルパンたちは夜を徹してこんにゃくを作り、ヘリコプターを覆う。
翌朝。シャーロックたちを脅迫しようと、彼らの暗躍を裏付ける証拠を探っていた不二子がカモネに見つかってしまう。だがカモネの注意は、再び現れたルパンたちに奪われた。カモネは斬鉄剣でこんにゃくヘリを攻撃するが、こんにゃくに刺さった刃が抜けなくなる。引っこ抜こうと無理な動きをするうちに、斬鉄剣をくくりつけていた飛行機が壊れてしまった。斬鉄剣を取り戻したルパンたちは飛行機ごとカモネに突っ込み、捕まえる。更に片棒を担いだ不二子にも五右エ門流のおしおきが待っていた。
ところかわってシカゴ。全ての経緯を知った銭形に追いかけられ、シャーロックがカーチェイスを繰り広げていた。そこに現れたのが五右エ門。シャーロックの車はあっという間に真っ二つになり、炎上する。五右エ門はそのままその場を立ち去るのだった。
【小ネタ】
・カモネとの取引現場で襲撃を食らうルパンたち。ルパンがこの手の勢力との取引に臨むというのは意外なんですよね。わりとよくあるにも関わらず。しかし取引現場はシャーロックの敷地内なのでしょうが、戦車が砲弾ぶっ放したらさすがに騒ぎになるんじゃないでしょうか。それとも兵器倉庫があるとこんなことは日常茶飯事なのか。
・五右エ門が戦車を切るシーンの演出がいいですね。彼の立ち回りは比較的テンポがよくて爽快な後味のものが多いのですが、このシーンはテンポがゆったりとしていて息詰まるような緊張感があります。やっていることは五右エ門お得意の乱れ切りですが、むしろ待ち受けての居合い切りに近い緊張感。去り際の余裕な態度もいいですね。
・死の商人の陰謀は現実にも似たような発想がありそうだからこそ、胸が悪い。こんにゃくネタがなければ、このエピソードは結構重たくなったかもしれませんね。
・今回不二子ちゃんが美人ですよね。ラストのオチを引き立てるためか(笑)バーボンを差し入れした不二子ちゃんのかっこうがスタイリッシュでかなり好み。
・ストレートのバーボンを水のように飲む男たち。恐るべし。次元がこんなにいい反応を返すのは酒だけですね。このころからお気に入りはバーボンのストレートだったのでしょうか。ゴエの変わり身の早さが微笑ましい。素直。
・斬鉄剣がわりにほうきを掴まされたゴエ。不二子ちゃんのやっていることは相当ひどいわけですが、こういうところに茶目っ気を感じてうかうか騙されてしまいます。だって五右エ門かわいいし!
・自殺を図るゴエと、取りすがって説得するお兄ちゃんズ。コメディにしか見えませんが、当人たちは必死そのものです。救世主の到着で一度その場を離れるルパン&次元。なぜ踏み台を蹴っていったし。五右エ門じゃなかったら死んでます。踏み込んできたとっつぁんがポカーンとしているのが最高におかしいです。
・獄中のゴエは珍しく無精ひげをはやしています。2ndゴエは体毛が薄いので、うっすらですが。どうやら一週間も断食しているようで、とっつぁんは途方に暮れています。本人が言っている通り責任問題にもなるのでしょうが、日本食を用意してあげたりと相変わらず優しいです。諭されたところで毫も動かぬ五右エ門ですが。断食修行くらいしていそうなゴエも、さすがに一週間食べないと立てない様子。ルパンに引きずられている図はかなりレアです。このあとルパン&次元はゴエに食べさせるために相当手を焼いたことでしょう。
・竹光を黙々と作るゴエ。斬鉄剣の威力は知っていても、心の支えがほしいのでしょう。周りの言葉をスルーするのは日常茶飯事にしても、今回は答える気力も起きないのかもしれません。ルパンと次元が眠っている間も、まんじりともできない様子。本当にこの期間、斬鉄剣のことしか考えられなかったでしょうね。
・五右エ門がこんにゃくを切ってみようと思った経緯が気になります。次元がこんにゃくの製法を覚えた経緯はもっと気になります。今回のMVPは次元で決まりですね。コバキヨさんのセクシーボイスだと「今はこんにゃくいもしかねえ。掘ってみるんだ!」というシュールな台詞までかっこよく聞こえるのが不思議です。
・今回の不二子ちゃんはかなりあくどかったのですが、おしおきは「こんにゃくの刑」と至ってほのぼの。五右エ門、もっと怒っていいと思うよ!
・結局五右エ門の怒りが一番大きかったのは、安全地帯で姑息な策を講じたシャーロックに対してだった、ということでしょうか。ラストシーンはここまでの雰囲気と打って変わりシリアス。この全体のバランス感覚や転換の鮮やかさは2ndならではですね。同じく大久保脚本の「友よ静かに眠れ」を彷彿とさせるシーンですが、また違った味わいがあります。
【基本情報&データ】
脚本 :大久保昌一良
コンテ :石原泰三
演出 :三家本泰美
作画監督 :北原健雄、朝倉隆
ゲスト声優 :加藤修(カモネ)
北村弘一(シャーロック)
松岡文雄、長堀芳夫、宮下勝
目当て :斬鉄剣
チーム :トリオ
不二子の裏切り:あり
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